ITパスポート 令和5年度 21-30問

ITパスポート 令和5年度 21-30問
問21

フリーミアムの事例として,適切なものはどれか。

ア 購入した定額パスをもっていれば,期限内は何杯でもドリンクをもらえるファーストフード店のサービス
イ 無料でダウンロードして使うことはできるが,プログラムの改変は許されていない統計解析プログラム
ウ 名刺を個人で登録・管理する基本機能を無料で提供し,社内関係者との間での顧客情報の共有や人物検索などの追加機能を有料で提供する名刺管理サービス
エ 有料広告を収入源とすることによって,無料で配布している地域限定の生活情報などの広報誌

解答:ウ
解説
e-ビジネスに関する問題です。

フリーミアムは、基本的なサービスや商品を無料で提供し、より高度なサービスや商品・機能については料金を課金する仕組みです。
フリー(Free)とプレミアム(Premium)を合わせた言葉です。

ウの名刺を個人で登録・管理する基本機能を無料で提供し、社内関係者との間での顧客情報の共有や人物検索などの追加機能を有料で提供する名刺管理サービスは、フリーミアムの事例です。

ポイント
最近の流行としては、他にも、一定期間利用できる権利に対して料金を支払うサブスクリプションなどが出そう。



問22

資金決済法における前払式支払手段に該当するものはどれか。

ア Webサイト上で預金口座から振込や送金ができるサービス
イ インターネット上で電子的な通貨として利用可能な暗号資産
ウ 全国のデパートや商店などで共通に利用可能な使用期限のない商品券
エ 店舗などでの商品購入時に付与され,同店での次回の購入代金として利用可能なポイント

解答:ウ
解説
労働関連・取引関連法規に関する問題です。

資金決済法は、商品券やプリペイドカード、電子マネーなどによるによる前払式支払手段、銀行業以外による資金移動業、暗号資産の交換ついてなどについて規定する法律です。

前払式支払手段は、商品券やプリペイドカードなどの金券など、あらかじめお金を払っておいて、買い物のときに決済する支払い方法です。
ウの全国のデパートや商店などで共通に利用可能な使用期限のない商品券が前払式支払手段に該当します。

アは資金決済法における資金移動業、イは暗号資産です。 エの次回利用可能ポイントは購入したものではないので前払式支払手段に該当しません。

ポイント
近年のキャッシュレス化に伴い改正された法律。今後も出るかも?



問23

OMG(Object Management Group)によって維持されており,国際規格ISO/IEC19510として標準化されているビジネスプロセスのモデリング手法及び表記法はどれか。

ア BABOK   イ BPMN   ウ BPO    エ BPR

解答:イ
解説
業務プロセスに関する問題です。

OMG(Object Management Group)は、オブジェクト指向を中心としたソフトウェア技術に関する総合的標準を開発している非営利国際的コンソーシアム(共同事業体)です。
OMGで国際規格ISO/IEC19510として標準化されているビジネスプロセスのモデリング手法及び表記法BPMN(Business Process Model and Notation)です。
BPMNは、計画された業務プロセスの手順を最初から最後までモデル化するフローチャート手法ですです。

BABOK(Business Analysis Body of Knowledge)はビジネスアナリシスの知識体系をまとめた本のことです。ビジネスアナリシスとはビジネス上の問題解決策を決定する手法です。
BPO(Business Process Outsourcing)は業務プロセスの一部を一括して専門業者に外部委託することです。
BPR(Business Process Reengineering)は業務プロセスを抜本的に見直し、改善することです。

ポイント
業務プロセス関係はそれほど細かいところは出ないと思うので、とりあえずそれがどういうものか、おおざっぱに知っておこう!



問24

需要量が年間を通じて安定している場合において,定量発注方式に関する記述として,最も適切なものはどれか。

ア 最適な発注量は,発注費用と在庫維持費用の総額が最小となる場合である。
イ 発注回数の多寡で比較したとき,発注回数の多い方が商品を保管するスペースを広くする必要がある。
ウ 発注は毎週金曜日,毎月末など,決められた同じサイクルで行われる。
エ 毎回需要予測に基づき発注が行われる。

解答:ア
解説
業務分析・データ利活用に関する問題です。

定量発注方式は、在庫があらかじめ決めておいた量まで減ったときに、一定量を発注する方法です。
最適な発注量は、発注費用と在庫維持費用の総額が最小となる1回あたりの発注量から計算されます。

ウとエは決まった同じ期間で発注を行う定期発注方式です。

ポイント
在庫管理の問題もたまに出る。
あまり力を入れる分野ではないと思うが、とりあえず過去問に出たものぐらいは覚えておくといいかも。



問25

企業の行為に関する記述a~cのうち,コンプライアンスにおいて問題となるおそれのある行為だけを全て挙げたものはどれか。

  1. 新商品の名称を消費者に浸透させるために,誰でも応募ができて,商品名の一部を答えさせるだけの簡単なクイズを新聞や自社ホームページ,雑誌などに広く掲載し,応募者の中から抽選で現金10万円が当たるキャンペーンを実施した。
  2. 人気のあるWebサイトを運営している企業が,広告主から宣伝の依頼があった特定の商品を好意的に評価する記事を,広告であることを表示することなく一般の記事として掲載した。
  3. フランスをイメージしてデザインしたバッグを国内で製造し,原産国の国名は記載せず,パリの風景写真とフランス国旗だけを印刷したタグを添付して,販売した。
ア a, b   イ a, b, c   ウ a, c   エ b, c

解答:エ
解説
その他の法律・ガイドライン・技術者情報倫理に関する問題です。

コンプライアンスとは、「法令遵守」、会社においては法令、規則などのルールを守ることです。
交通ルールの遵守、公務員接待の禁止、自社の就業規則の遵守、他者の知的財産権の尊重、すべてがコンプライアンスとして考慮しなければならないものです。

aは景品の最高額は取引価額の20倍か10万円なので問題ありません。
bとcは一般消費者に誤認される表示なので景品表示法違反となるので問題になります。

ポイント
例え厳密に法律に反する行為じゃなくても、「いやいや、それはどうなのよ?」とヒソヒソいわれるような事をしない、のがコンプライアンス。

この問題は景品表示法についての問題。商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うのは違反。
あたりがあるよ!と言いながら公正な抽選を行わなかったり、顧客を誘引するための手段として限度額を超えた景品を出す、なども違反になる。

サンプル問題ではまだ景品表示法そのものは出ていないが、今後出てくる可能性が高い。



問26

組立製造販売業A社では経営効率化の戦略として,部品在庫を極限まで削減するためにかんばん方式を導入することにした。この戦略実現のために,A社が在庫管理システムとオンラインで連携させる情報システムとして,最も適切なものはどれか。なお,A社では在庫管理システムで部品在庫も管理している。また,現在は他のどのシステムも在庫管理システムと連携していないものとする。

ア 会計システム     イ 部品購買システム
ウ 顧客管理システム   エ 販売管理システム

解答:イ
解説
経営管理システムに関する問題です。

かんばん方式は、後工程から前工程への生産指示や、前工程から後工程へ必要な分だけ部品を引き渡す際の納品書として情報を記したかんばんや電子式タグを用いる生産方式です。
部品在庫を削減するために取られる方式なので、在庫管理システムとオンラインで連携させる情報システムは部品購買システムが適切です。

ポイント
ここ数年かんばん方式の問題が人気。考え方自体は古くからあるが、なぜかは不明。とりあえず覚えておくにこしたことはない。



問27

ファミリーレストランチェーンAでは,店舗の運営戦略を検討するために,店舗ごとの座席数,客単価及び売上高の三つの要素の関係を分析することにした。各店舗の三つの要素を,一つの図表で全店舗分可視化するときに用いる図表として,最も適切なものはどれか。

ア ガントチャート   イ バブルチャート
ウ マインドマップ   エ ロードマップ

解答:イ
解説
業務分析・データ利活用に関する問題です。

三つの要素を一つの図表で全店舗分可視化するときに用いる図表バブルチャートです。
x軸(横軸)で1つ目の要素、y軸(縦軸)で2つ目の要素、3つ目の要素は点(バブル)の大きさで表します。



ガントチャートは時間を横軸、作業内容を縦軸に配した棒グラフ状の一覧表で、スケジュール管理や作業管理に用いられます。
マインドマップは主題を中心として関連する情報を放射状に線で繋げていく思考方法です。
ロードマップは目標の達成に向けて計画を時系列でまとめた図です。

ポイント
図表での表現方法は、どういった図か形状と、何を表すのに向いているか特徴を覚えよう!



問28

AIを開発するベンチャー企業のA社が,資金調達を目的に,金融商品取引所に初めて上場することになった。このように,企業の未公開の株式を,新たに公開することを表す用語として,最も適切なものはどれか。

ア IPO   イ LBO   ウ TOB   エ VC

解答:ア
解説
経営戦略手法に関する問題です。

企業の未公開の株式を新たに公開することを表す用語IPO(Initial Public Offering)です。
今まで限られた人しか取引できなかったのを、誰でも株取引ができるようになります。

LBO(Leveraged Buyout)はM&Aの手法のひとつで、買収をしようとする企業の資産や収益力を担保として買取資金の借入れをおこなう仕組みです。
TOB(Take Over Bid:株式公開買付)は取引所を経由せず、公開買付者が買付期間・価格・予定株数などを公表して不特定多数の株主から直接的に株式の買付をおこなうことです。
VC(Venture Capital)は将来成長が見込めるベンチャー企業や新規企業に投資してハイリターンを狙う組織のことです。

ポイント
他の選択肢もなるべく覚えておこう。出なくても知識になる。



問29

不正な販売行為を防ぐために,正当な理由なく映像ソフトのコピープロテクトを無効化するプログラムの販売行為を規制している法律はどれか。

ア 商標法
イ 特定商取引に関する法律
ウ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律
エ 不正競争防止法

解答:エ
解説
知的財産権に関する問題です。

市場で公正な競争が行われることを保護する法律不正競争防止法です。
不正競争防止法で規制されている行為の例は次の通りです。
・企業秘密を漏らす
・産地偽装
・コピー品販売
・デジタルコンテンツのコピーやアクセスをコントロールを無効化する行為

商標法はネーミングやロゴなどの商標に関する法律です。
特定商取引に関する法律(特定商取引法)は不適正な勧誘・取引を取り締まるための規制やルールを定めています。
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)はアクセス制限のあるコンピュータにネットワークを介して不正にアクセスことを規制する法律です。

ポイント
不正競争防止法人の褌で相撲を取るな!という法律。
不正競争防止法に限らず、法律の違反行為は非常によく出題されるのでチェックしておこう。



問30

犯罪によって得た資金を正当な手段で得たように見せかける行為を防ぐために,金融機関などが実施する取組を表す用語として,最も適切なものはどれか。

ア AML(Anti-Money Laundering)  イ インサイダー取引規制
ウ スキミング           エ フィッシング

解答:ア
解説
e-ビジネスに関する問題です。

犯罪によって得た資金を正当な手段で得たように見せかけるマネーローンダリングを防ぐための取り組みAML(Anti-Money Laundering)といいます。

インサイダー取引規制は会社に関する未公表の情報(インサイダー情報)を知っている状態で、その会社の株式を取引するインサイダー取引を禁止する規制です。
スキミングはクレジットカードに記録されている情報を盗み取る犯罪手口です。
フィッシングは偽のWebサイトやメールを使い、暗証番号やパスワードをだまし取る行為です。

ポイント
マネーロンダリングもなぜか最近出題される。他の選択肢もすべて知っていて損はない用語なので覚えよう!