ITパスポート 令和7年度 1-10問
ITパスポート 令和7年度 1-10問
●●● ストラテジ ●●●
問1
A社がB社に作業の一部を請負契約で委託している。作業形態a~cのうち,いわゆる偽装請負とみなされる状態だけを全て挙げたものはどれか。
- B社の従業員が,A社内において,A社の責任者の指揮命令の下で,請負契約で取り決めた作業を行っている。
- B社の従業員が,A社内において,B社の責任者の指揮命令の下で,請負契約で取り決めた作業を行っている。
- B社の従業員が,B社内において,A社の責任者の指揮命令の下で,請負契約で取り決めた作業を行っている。
解答:ウ
請負契約は仕事の一部をほかの企業に委託する契約です。労働者への仕事の指揮・雇用契約は請負会社との間に結びます。
偽装請負は、契約上は請負なのに実際は派遣契約のように労働者へ直絶指揮命令を下している状態を言います。 よって、B社の従業員がA社の責任者の指揮命令の下で作業を行うのは、偽装請負とみなされます。場所がどこであっても同じです
請負契約は出来上がったもの・仕事を売る。
派遣契約は人材を売る。(言い方!)
両方の違いがよく出題されるよ!
解説
労働関連・取引関連法規に関する問題です。請負契約は仕事の一部をほかの企業に委託する契約です。労働者への仕事の指揮・雇用契約は請負会社との間に結びます。
偽装請負は、契約上は請負なのに実際は派遣契約のように労働者へ直絶指揮命令を下している状態を言います。 よって、B社の従業員がA社の責任者の指揮命令の下で作業を行うのは、偽装請負とみなされます。場所がどこであっても同じです
ポイント
何が問題かというと、派遣の場合労働者派遣法があるからこれに従わないといけないけど、名目上請負契約としているので、法律無視の不当な労働が強いられる点。請負契約は出来上がったもの・仕事を売る。
派遣契約は人材を売る。(言い方!)
両方の違いがよく出題されるよ!
問2
従来の情報セキュリティマネジメントシステム規格を基礎に追加で制定されたもので,クラウドサービスに対応した情報セキュリティ管理体制を構築するためのガイドライン規格として,最も適切なものはどれか。
ア ISO 14001 イ JIS Q 15001
ウ ISO/IEC 27017 エ ISO 9001
解答:ウ
情報セキュリティマネジメントシステム規格(ISO/IEC 27001:ISMS)を基礎に追加で制定され、クラウドサービス固有の情報セキュリティ管理策をまとめたガイドラインは、ISO/IEC 27017です。
ISO 14001は、環境マネジメントシステムが満たすべき事項を定めています。
JIS Q 15001は、クラウドサービスで保管されている個人情報の保護体制を整備・運用していることを評価したプライバシーマーク制度です。
ISO 9001は、よい製品を作るためのシステムを管理する、品質マネジメントシステムに関する国際規格です。
全部覚えるのは大変なので、過去問に出てきたものを中心に。
解説
標準化関連に関する問題です。情報セキュリティマネジメントシステム規格(ISO/IEC 27001:ISMS)を基礎に追加で制定され、クラウドサービス固有の情報セキュリティ管理策をまとめたガイドラインは、ISO/IEC 27017です。
ISO 14001は、環境マネジメントシステムが満たすべき事項を定めています。
JIS Q 15001は、クラウドサービスで保管されている個人情報の保護体制を整備・運用していることを評価したプライバシーマーク制度です。
ISO 9001は、よい製品を作るためのシステムを管理する、品質マネジメントシステムに関する国際規格です。
ポイント
主な規格番号はできるかぎり覚えておこう!全部覚えるのは大変なので、過去問に出てきたものを中心に。
問3
政府は,官民データ活用推進基本法に定められた“官民データ活用推進基本計画”を策定し,官民データの公開や活用の促進に取り組んでいる。次の組織体のうち,官民データを所有しているものだけを全て挙げたものはどれか。
a 県庁 b 大学 c 電力事業者 d 独立行政法人
ア a, b, c イ a, b, c, d ウ a, b, d エ a, c, d
解答:イ
官民データ活用推進基本法は、公共データと民間データを適切かつ効果的に活用し、社会課題の解決や新たなサービスの創出を目指す法律です。
官民データ活用推進基本計画は、全ての国民がデジタル技術とデータ利活用の恩恵を享受するとともに、安全で安心な暮らしや豊かさを実感できるデジタル社会の実現に向けた、政府全体のデジタル政策を取りまとめたものです。
官民データは、官公庁や企業が持つデジタルデータ全般です。
官民データを所有しているのは、国や地方自治体、企業(独立行政法人を含む)、大学等です。つまり、県庁、大学、電力事業者、独立行政法人すべてが該当します。
具体例はこれから出題されるかも?
解説
経営・組織論に関する問題です。官民データ活用推進基本法は、公共データと民間データを適切かつ効果的に活用し、社会課題の解決や新たなサービスの創出を目指す法律です。
官民データ活用推進基本計画は、全ての国民がデジタル技術とデータ利活用の恩恵を享受するとともに、安全で安心な暮らしや豊かさを実感できるデジタル社会の実現に向けた、政府全体のデジタル政策を取りまとめたものです。
官民データは、官公庁や企業が持つデジタルデータ全般です。
官民データを所有しているのは、国や地方自治体、企業(独立行政法人を含む)、大学等です。つまり、県庁、大学、電力事業者、独立行政法人すべてが該当します。
ポイント
官民データを連携してうまくつかいましょう、という法律だけど、その中の個人情報に関しては人情報保護法を遵守しないといけない。具体例はこれから出題されるかも?
問4
投資の優先度などの経営の戦略を策定するために,経済価値,希少性,模倣困難性及び組織の四つの要素で評価することによって,自社のもつ資源を分析する手法として,最も適切なものはどれか。
ア 4P イ PPM ウ SWOT分析 エ VRIO分析
解答:エ
経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)及び組織(Organization)の四つの要素で評価することによって企業独自の強みや弱みを把握し、投資の優先度などの経営の戦略策定に役立てる手法は、VRIO分析です。
4Cは、Customer Value(顧客価値)、Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の観点から事業環境の分析などに用いられる手法です。
PPMは、企業が扱う事業や商品が、市場でどのような位置にあるかを把握することで、経営資源の配分方法を図る分析手法です。
SWOT分析は、企業に対して影響を与えている環境を、強み、機会、弱み、脅威の4つに分けて分析する手法です。
VRIO分析は出題率低め。どの分析も、特徴と図をセットで覚えるといい。
解説
経営戦略手法に関する問題です。経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)及び組織(Organization)の四つの要素で評価することによって企業独自の強みや弱みを把握し、投資の優先度などの経営の戦略策定に役立てる手法は、VRIO分析です。
4Cは、Customer Value(顧客価値)、Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の観点から事業環境の分析などに用いられる手法です。
PPMは、企業が扱う事業や商品が、市場でどのような位置にあるかを把握することで、経営資源の配分方法を図る分析手法です。
SWOT分析は、企業に対して影響を与えている環境を、強み、機会、弱み、脅威の4つに分けて分析する手法です。
ポイント
分析で一番よく出題されるのはPPM分析、少し前の流行はSWOT分析。どちらも特徴を覚えておこう。VRIO分析は出題率低め。どの分析も、特徴と図をセットで覚えるといい。
問5
A社ではB商品の仕入れと販売を行っている。ある期のB商品の仕入単価は期首から上昇し続け,期末が最も高くなった。当該期の売上原価を“期首棚卸高+当期商品仕入高-期末棚卸高”で計算するとき,期末棚卸高の計算に期末の仕入単価を用いると,B商品の期末棚卸高及び売上原価は,期中の仕入単価の平均値を用いる場合に比べてどのようになるか。
ア 期末棚卸高,売上原価ともに上がる。
イ 期末棚卸高,売上原価ともに変わらない。
ウ 期末棚卸高は上がり,売上原価は下がる。
エ 期末棚卸高は下がり,売上原価は上がる。
解答:ウ
当該期の売上原価の計算方法は次の式で計算します。
当該期の売上原価 =
期首棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末棚卸高
【前提】
ある期のB商品の仕入単価は期首から上昇し続け期末が最も高くなった
このとき、期末棚卸高の計算に
1)期末の仕入単価を用いる場合
2)期中の仕入単価の平均値を用いる場合
で、期末棚卸高及び売上原価はどうなるかという問題です。
期首から上昇し続けて期末が最も高いので、期末棚卸高は、期末は一番高く、平均はちょうど真ん中ぐらいの値になります。よって、1)の場合は2)に比べて高くなります。
当該期の売上原価は、計算式を見ると「期首棚卸高 + 当期商品仕入高」から「期末棚卸高」を引いた値になります。引く値である期末棚卸高は1)の場合は2)に比べて高くなるので、当該期の売上原価は1)の場合は2)に比べて、引く値が多くなる分下がります。
解説
会計・財務に関する問題です。当該期の売上原価の計算方法は次の式で計算します。
当該期の売上原価 =
期首棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末棚卸高
【前提】
ある期のB商品の仕入単価は期首から上昇し続け期末が最も高くなった
このとき、期末棚卸高の計算に
1)期末の仕入単価を用いる場合
2)期中の仕入単価の平均値を用いる場合
で、期末棚卸高及び売上原価はどうなるかという問題です。
期首から上昇し続けて期末が最も高いので、期末棚卸高は、期末は一番高く、平均はちょうど真ん中ぐらいの値になります。よって、1)の場合は2)に比べて高くなります。
当該期の売上原価は、計算式を見ると「期首棚卸高 + 当期商品仕入高」から「期末棚卸高」を引いた値になります。引く値である期末棚卸高は1)の場合は2)に比べて高くなるので、当該期の売上原価は1)の場合は2)に比べて、引く値が多くなる分下がります。
ポイント
財務関係の計算問題は最初から捨ててもいい。でもこの問題のように知識がなくても問題を読めば解けるものもあるので、時間があまったら挑戦しよう!
問6
特定電子メール法は,電子メールによる一方的な広告宣伝メールの送信を規制する法律である。企業担当者が行った次の電子メールの送信事例のうち,特定電子メール法の規制対象となり得るものはどれか。
ア 広告宣伝メールの受信を拒否する旨の意思表示がないことを確認したのち,公表されている企業のメールアドレス宛てに広告宣伝メールを送信した。
イ 受信者から拒否通知があった場合には,それ以降の送信を禁止すればよいと考え,広告宣伝メールを送信した。
ウ 内容は事務連絡と料金請求なので問題ないと考え,受信者本人の同意なく,メールを送信した。
エ 長年の取引関係にある企業担当者に対して,これまで納入してきた製品の新バージョンが完成したので,その製品に関する広告宣伝メールを送信した。
解答:イ
特定電子メール法は、企業や個人から、広告や宣伝を目的として送られる特定電子メールを規制するための法律です。
・あらかじめ同意を得た人以外への送信
・送信者の情報を偽って送信
などは規制の対象になります。
同意がある人のみが対象なので、受信者から拒否通知があった場合にそれ以降の送信を禁止すればよいと考えて広告宣伝メールを送信するのは、規制対象となり得ます。
・公表されている企業のメールアドレス
・取引関係にある相手
・料金請求メール
は規制対象外です。
規制対象と対象外は今後も出題される可能性大!他の法律も同様。
解説
セキュリティ関連法規に関する問題です。特定電子メール法は、企業や個人から、広告や宣伝を目的として送られる特定電子メールを規制するための法律です。
・あらかじめ同意を得た人以外への送信
・送信者の情報を偽って送信
などは規制の対象になります。
同意がある人のみが対象なので、受信者から拒否通知があった場合にそれ以降の送信を禁止すればよいと考えて広告宣伝メールを送信するのは、規制対象となり得ます。
・公表されている企業のメールアドレス
・取引関係にある相手
・料金請求メール
は規制対象外です。
ポイント
広告・宣伝目的のメール、つまり迷惑メールを規制する法律。規制対象と対象外は今後も出題される可能性大!他の法律も同様。
問7
新しい概念やアイディアの実証を目的とした,開発の前段階における検証を表す用語はどれか。
ア CRM イ PoC ウ RAS エ SLA
解答:イ
新しい技術やアイディアが実現可能であるか、どのような効果を得られるかを確認するため、開発の前段階に行う検証工程をPoC(Proof of Concept:概念実証)といいます。
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客と良好な関係を築くため、顧客に関する情報を集めて分析する手法です。
RAS(Remote Access Server)は、評価指標を表すReliability(信頼性), Avalability(可用性), Serviceability(保守性)のことです。
SLA(Service Level Agreement)は、ITサービスの提供者と利用者の間でサービス品質を保証する契約です。
解説
技術開発戦略の立案・技術開発計画に関する問題です。新しい技術やアイディアが実現可能であるか、どのような効果を得られるかを確認するため、開発の前段階に行う検証工程をPoC(Proof of Concept:概念実証)といいます。
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客と良好な関係を築くため、顧客に関する情報を集めて分析する手法です。
RAS(Remote Access Server)は、評価指標を表すReliability(信頼性), Avalability(可用性), Serviceability(保守性)のことです。
SLA(Service Level Agreement)は、ITサービスの提供者と利用者の間でサービス品質を保証する契約です。
ポイント
PoCは今後も出題が予想される。
問8
AIの機械学習で利用するデータの取扱いに関する記述のうち,バイアスの低減やデータの品質を確保するために考えられる対策として,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- 学習の目的に適したデータであることを確認する。
- データの入手元作成来歴を確認する。
- データへのアノテーションの付与は学習目的に合わせて実施する。
- 人間の目でも同定が困難と考えられる画像認識用のデータは除外する。
解答:イ
AIの機械学習とは、規則性やルールを見つけるため着目点を、コンピュータ自身が見つけ出せるようにした技術です。 AIの機械学習で利用するデータは、
目的に沿った正しい偏りのない多量のデータ が適しています。
バイアスとは、特定な情報やデータの偏りのことです。 データにラベルやタグを付与する作業をアノテーションといいます。
・学習目的に適したデータ
・データの入手元作成来歴のきちんとしたもの
・学習目的に合わせたアノテーション
・判定困難データは除外
のどれもがバイアスの低減やデータの品質を確保するために考えられる対策として適切です。
これからはこうしたAIの問題点も出題されてくる!
解説
情報に関する理論に関する問題です。AIの機械学習とは、規則性やルールを見つけるため着目点を、コンピュータ自身が見つけ出せるようにした技術です。 AIの機械学習で利用するデータは、
目的に沿った正しい偏りのない多量のデータ が適しています。
バイアスとは、特定な情報やデータの偏りのことです。 データにラベルやタグを付与する作業をアノテーションといいます。
・学習目的に適したデータ
・データの入手元作成来歴のきちんとしたもの
・学習目的に合わせたアノテーション
・判定困難データは除外
のどれもがバイアスの低減やデータの品質を確保するために考えられる対策として適切です。
ポイント
偏ったデータデータばかりだと、学習結果に偏りが出てしまう。これからはこうしたAIの問題点も出題されてくる!
問9
ハッカソンに関する記述として,最も適切なものはどれか。
ア 定められたルールの下,ある主題について,肯定派と否定派といった異なる立場に分かれて議論する。
イ 情報セキュリティ分野で活躍したいという意志をもった若者が,合宿形式で情報セキュリティに関する実践的な知識を学ぶ。
ウ プログラマーやデザイナーなどから成る複数の参加チームが,与えられたテーマに関するプロトタイプを短期間で作成し,その成果を発表して競い合う。
エ 問題解決や利用者獲得などゲーム的な要素のない分野に,デジタル技術を活用したゲームの要素を取り入れることによって,利用者の参加を動機づける。
解答:ウ
ハッカソンは、特定の目的の達成や課題の解決をテーマとしてチームを編成し、短期集中的にアイディアを出し合い、与えられた課題を解決するためのソフトウェアを企画・開発してその成果を競い合うイベントです
アはディベート、イは情報セキュリティキャンプ、エはゲーミフィケーションに関する記述です。
ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた言葉。マラソンは短期間で集中して作るからか? ゲーミフィケーションも出てくる。
解説
技術開発戦略の立案・技術開発計画に関する問題です。ハッカソンは、特定の目的の達成や課題の解決をテーマとしてチームを編成し、短期集中的にアイディアを出し合い、与えられた課題を解決するためのソフトウェアを企画・開発してその成果を競い合うイベントです
アはディベート、イは情報セキュリティキャンプ、エはゲーミフィケーションに関する記述です。
ポイント
ハッカソンも最近の流行。よく出題される。ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた言葉。マラソンは短期間で集中して作るからか? ゲーミフィケーションも出てくる。
問10
生成AIにおいて,もっともらしいが事実とは異なる内容が出力されることを表す用語として,最も適切なものはどれか。
ア エコーチェンバー イ シンギュラリティ
ウ ディープフェイク エ ハルシネーション
解答:エ
生成AIが事実とは異なる情報を利用して誤った内容回答を出力することを、ハルシネーションといいます。
エコーチェンバーは、自分と似た意見を持つユーザー同士で集まり、特定の意見や思想が増幅されてしまう現象です。
シンギュラリティは、AIが自己学習の結果人間の知能を超える瞬間が訪れるという仮説です。
ディープフェイクは、AIを用いた偽の写真・動画・音声全般を指します。
解説
ビジネスシステムに関する問題です。生成AIが事実とは異なる情報を利用して誤った内容回答を出力することを、ハルシネーションといいます。
エコーチェンバーは、自分と似た意見を持つユーザー同士で集まり、特定の意見や思想が増幅されてしまう現象です。
シンギュラリティは、AIが自己学習の結果人間の知能を超える瞬間が訪れるという仮説です。
ディープフェイクは、AIを用いた偽の写真・動画・音声全般を指します。
ポイント
今後どれも出る!全部でる!覚えよう!