ITパスポート 令和8年度 1-10問

ITパスポート 令和8年度 1-10問
●●● ストラテジ ●●●

問1

生成AIを用いた生成物の取扱いに関して,既存の著作物の著作権者から許諾を得ることが必要となる可能性のあるものだけを,全て挙げたものはどれか。

  1. 好みのアーティストの楽曲に似た音楽が得られるように生成AIを用いて楽曲を生成し,その楽曲をインターネット上にアップロードし,無料で公開した。
  2. 好みのアーティストの楽曲に似た音楽が得られるように生成AIを用いて楽曲を生成し,その楽曲を自分のPC上に保管し,個人で視聴した。
  3. 生成AIで音楽を生成したところ,偶然好みのアーティストの楽曲に似た音楽が生成できたので,自分のPC上に保管し,個人で視聴した。
ア a   イ a, b   ウ a, b, c   エ b, c

解答:ア
解説
知的財産権に関する問題です。

生成AIは、事前に学習したデータから新しいコンテンツ(テキスト、画像、音声など)を生成するAI技術です。

生成AIを用いた生成物も通常の場合と同様に「元のモノを複製した・参考にして似ている」ものは著作権者の許諾なしに利用すると著作権侵害となります。しかし、私的に利用する分は許諾なしで利用可能です。

好みのアーティストの楽曲に似た音楽が得られるように生成AIを用いて生成した楽曲は、個人的に利用する分は著作権者の許諾を得る必要はありませんが、インターネット上にアップロードして公開することは著作権者の許諾を得る必要があります。
偶然好みのアーティストの楽曲に似て生成された音楽は対象外で、さらに個人利用のため、著作権者の許諾を得る必要はありません。

ポイント
生成AIでも著作権に関する制限は同じ!
ただし、生成AIに使う学習データは原則として著作権侵害にならない。でも、著作権者の利益を不当に害する場合は例外。

生成AIはこのように著作権の問題とセットになって出題されることが多そう。ポイントを押さえておこう!



問2

BYODに関する記述として,適切なものはどれか。

ア 企業の業務に,従業員が私物の携帯情報端末を許可を得た上で利用すること
イ 企業の業務の定型的な作業をソフトウェアのロボットで効率化すること
ウ 企業の業務の流れを分析し,継続的に改善,最適化していくこと
エ 企業の業務の流れを見直し,抜本的にデザインし直すこと


解答:ア
解説
業務プロセスに関する問題です。

BYODは、社員が私物としてもつPCやスマートフォンなどの携帯情報端末を業務にも活用することです。
会社の許可なく利用すると、情報漏洩やウイルス感染などのリスクがあります。

イはRPA(Robotic Process Automation)、ウはBPM(Business Process Management)、エはBPR(Business Process Reengineering)の記述です。

ポイント
BYODの出現率も高い。 許可なく利用することはシャドーIT。セットで覚えよう。



問3

投資会社であるA社が,それぞれの投資戦略を採る場合の利益は,表のように予想される。A社がマクシミン戦略を採り,かつ,市況が好転した場合の利益はどれか。
マクシミン戦略とは,戦略ごとに予想される利益の最小値が最も大きくなるように戦略を採用する理論である。


ア -15   イ 0   ウ 5   エ 20

解答:ウ
解説
経営戦略手法に関する問題です。

マクシミン戦略は、最小の利益を想定し、その中で最大の利益が得られる選択肢を選ぶ意思決定です。

投資戦略aの最小の利益は-15、投資戦略bの最小の利益は0なので、最大の利益が得られるのは投資戦略bのほうです。
投資戦略bの市況が好転した場合の利益は5になります。

ポイント
マクシミン戦略はかなり前に出題あり。
要するに危険の少ないローリスクローリターンの戦略
対するマキシマックス戦略は、最大の利益を想定してそれがもっとも大きい選択肢を選ぶ意思決定。つまりバクチ的なハイリスクハイリターンの戦略。



問4

特定の目的の達成や課題の解決をテーマとして,ソフトウェアの開発者や企画者などが短期集中的にアイディアを出し合い,ソフトウェアの開発などの共同作業を行い,成果を競い合うイベントはどれか。

ア トレードフェア        イ ハッカソン
ウ パネルディスカッション    エ レセプション

解答:イ
解説
技術開発戦略の立案・技術開発計画に関する問題です。

特定の目的の達成や課題の解決をテーマとしてチームを編成し、短期集中的にアイディアを出し合い、与えられた課題を解決するためのソフトウェアを企画・開発してその成果を競い合うイベントハッカソンです。

トレードフェアは関係者が一堂に会する商談会です。
パネルディスカッションは様々な立場の人たちで意見をかわしあう討論方式です。
レセプションとはイベントの開始前や終了後に行われる参加者の交流の場です。

ポイント
ハッカソンも最近の流行。よく出題される。
ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた言葉。マラソンは短期間で集中して作るからか? 他の選択肢はなんとなくわかっていればいい。



問5

インターネットを利用した企業広告に関する新たなビジネスモデルを知的財産として出願し,コンピュータシステムとして実現した。このビジネスモデルを知的財産として,保護する法律はどれか。

ア 意匠法  イ 実用新案法  ウ 著作権法  エ 特許法

解答:エ
解説
知的財産権に関する問題です。

知的財産権は4つで、保護の対象は次の通りです。

特許権は新しいアイディアや発明
実用新案権は商品の形状や構造、組合せ方などのアイディア
意匠権は商品の工業的デザイン
商標権は商品名やロゴマーク

それぞれの権利を守るための法律があります。
新しいアイディアや発明が保護の対象となる特許権は、特許法に基づいて登録します。
新しいビジネスモデルの仕組みそのものではなく、そのビジネスモデルをコンピュータシステムとして実現する技術が特許の対象となります。

ポイント
それぞれの権利の保護の対象や存続期間がよく出題される。



問6

デジタルトランスフォーメーションに関する説明として,最も適切なものはどれか。

ア PCやスマートフォンなどのデジタル製品を使いこなせる人と,使いこなせない人の間で様々な機会に差が生じて,社会的な格差につながること
イ 生まれた時からインターネット,PCやスマートフォンなどのデジタル製品が身近にあり,それらを利用しながら育った世代のこと
ウ 音声を収集するマイクロフォンなどからのアナログ信号を,電子ファイルとして保存するためにデジタル信号に変換すること
エ デジタル技術が,人間の生活やビジネスなどのあらゆる面に影響を与え,変革をもたらしていくこと

解答:エ
解説
経営・組織論に関する問題です。

デジタルトランスフォーメーションとは、IoTやAIといったITを活用し、今までにない技術で人々の生活を良くすることです。

アはデジタルディバイド、イはデジタルネイティブ、ウはA/D(アナログ/デジタル)変換の説明です。

ポイント
普通に省略したらDTだけど、Trans=交差する、から、交差を1文字で表す「X」を使ってDX!
とりあえず意味は漠然と覚えておけばいい。
わかりやすい具体例はキャッシュレス化や各種手続きのオンライン化等。



問7

製品やサービスの価値を機能とコストの関係で把握し,価値の向上をはかる“バリューエンジニアリング”という手法がある。バリューエンジニアリングにおける価値,機能,コストの関係性を示すものとして,適切なものはどれか。

ア 価値=機能/(コスト+機能)  イ 価値=機能/コスト
ウ 価値=機能×コスト      エ 価値=コスト/機能

解答:イ
解説
ビジネス戦略と目標・評価に関する問題です。

バリューエンジニアリングとは、商品の価値を機能とコストの関係で把握し、価値の向上を図る手法です。

バリューエンジニアリングにおける価値は、必要とされる機能をコストで割ったものとして考えられます。よって、

  価値=機能/コスト

が正解です。
機能を上げる、コストを削減するなど様々な方法で機能とコストの両方をバランスよく決めることで、価値を上げることが可能です。

ポイント
単純に考えるなら機能は良い方がよく、コストは低い方がいい。 他の式はコストが低くなると価値も下がる。アは機能が良くなったら価値が下がってしまう。 よくわからない場合は、選択肢それぞれに実際に適当な数数値を当てはめてみるといい



問8

IoTを利用したシステムの事例として,最も適切なものはどれか。

ア 資金調達において,不特定多数の借り手と貸し手をインターネット上で仲介するサービスを行う。
イ ソーシャルメディアへの書込みや,コールセンターの通話内容などから,商品やサービスに対する利用者の感情を分析する。
ウ 店舗や工場などの設備に設置したセンサーの情報をインターネット経由で集め,設備の状況について,従業員がスマートフォンを用いて監視する。
エ 文書や画像などの電子ファイルを保存するためのインターネット上のストレージを,サービスとして提供する。

解答:ウ
解説
IoTシステム・組込みシステムに関する問題です。

IoT(Internet of Things)は、あらゆる「モノ」をインターネットに接続することです。
IoTを利用して集めた情報を利用し、分析結果を現場へフィードバックするシステムが活用されています。

店舗や工場などの設備に設置したセンサーの情報をインターネット経由で集め、設備の状況について従業員がスマートフォンを用いて監視するのは、IoTを利用したシステムの事例です。

アはフィンテックの事例でクラウドファンディングの説明です。
イはAIおよびビッグデータの事例でセンチメント分析の説明です。
エはクラウドの事例でオンラインストレージの説明です。

ポイント
IoTも出題の常連。 活用事例やIoT機器について出題される。



問9

製品の製造に関連して発生する次の費用のうち,間接費だけを全て挙げたものはどれか。

  1. 完成した製品を検査する労務費
  2. 工場の電気供給設備を保守する労務費
  3. 製品の外注加工費
ア a, b   イ b   ウ b, c   エ c

解答:イ
解説
会計・財務に関する問題です。

間接費とは、プロジェクトや事業に直接関与しない共通的な費用のことです。
オフィスの家賃や機械の減価償却費などが間接費にあたります。
対する直接費は、製造に直接かかる費用です。

製品の製造に関連する費用のうち、工場の電気供給設備を保守する労務費のみが間接費にあたります。
完成した製品を検査する労務費と製品の外注加工費は直接費に該当します。

ポイント
同じ人件費でも、製品製造に直接かかわる作業員の人件費は直接費、経理部門の人件費は間接費となる。



問10

会議に関する記述のうち,ブレーンストーミングの進め方として,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

  1. 自由奔放なアイディアは控え,実現可能なアイディアの提出を求める。
  2. ほかのメンバーのアイディアに便乗した案であっても,とがめずに進める。
  3. メンバーから出されるアイディアの中で,テーマに適したものを選択しながら進める。
ア a   イ a, b   ウ a, b, c   エ b

解答:エ
解説
業務分析・データ利活用に関する問題です。

ブレーンストーミングは、議論参加者がお互いの意見を批判せず、自由に意見を出し合う方法です。

選択肢のうち、ほかのメンバーのアイディアに便乗した案であってもとがめずに進めるのは適切です。
実現可能かどうかは考えず、自由奔放な意見を出し合う進め方なので、aは不適切です。また、テーマに適したアイディアだけを選択するのは他の意見の批判になるのでcも不適切です。

ポイント
議論の方法もちょこちょこ出る。 それぞれの特徴をざっと覚えておくこと。