ITパスポート 令和8年度 31-40問

ITパスポート 令和8年度 31-40問
問31

リーン生産方式による業務改善の観点であるムリ,ムラ,ムダのうち,ムダに当たるものとして,最も適切なものはどれか。

ア 属人化していて,担当者によって作成物の品質が異なる作業
イ 組織の能力以上に負荷をかける無謀な計画や作業標準
ウ 待機や必要以上の加工など,付加価値を生まない動作
エ 長時間,身体の一部に負担がかかり,健康を害するおそれのある作業

解答:ウ
解説
エンジニアリングシステムに関する問題です。

リーン生産方式は、無駄を徹底的に排除した生産体制を構築する手法です。

ムリ 人や設備への負担
ムラ 作業や生産のばらつき
ムダ 不要な在庫や作業

組織の能力以上に負荷をかける無謀な計画や作業標準・健康を害するおそれのある作業はムリ、担当者によって作成物の品質が異なる作業はムラ、付加価値を生まない動作はムダに当たります。

ポイント
「リーン(lean)」は、脂肪やぜい肉がない」「均整のとれた」といった意味。
生産方式もたまに出題されるので有名なものは覚えておこう。



問32

ニッチ戦略の事例として,最も適切なものはどれか。

ア アパレルメーカーA社は,生産コストを下げるために,生産拠点を海外に移した。また,大量に販売が見込めるカジュアルウェアを中心に,安価な商品を全国で販売することにした。
イ 業界2位の食品メーカーB社は,トップシェアを獲得するために,業界3位のC社と経営統合することにした。
ウ 金属加工メーカーD社は,自社固有の加工技術を生かして,密閉度の極めて高い高価な無水調理鍋を高級レストラン向けに販売することにした。
エ 電機メーカーE社は,販売量が減ってきた中型テレビ事業を売却し完全撤退することにした。

解答:ウ
解説
経営戦略手法に関する問題です。

ニッチ戦略は、ほかの企業が参入していない市場を開拓する戦略です。

金属加工メーカーD社は自社固有の加工技術を生かして、密閉度の極めて高い高価な無水調理鍋を高級レストラン向けに販売することにした、のはニッチ戦略の事例です。

アはコストリーダーシップ戦略、イはM&A戦略、エは撤退戦略の事例です。

ポイント
経営戦略はどういったものか、または事例が問われることが多い。特徴を覚えておけばOK!



問33

購買,製造販売という供給者から消費者までを結ぶ一連の業務のつながりを総合的に管理し,資材の調達から顧客への販売に至る在庫などの無駄をなくして,プロセス全体の最適化を図るものはどれか。

ア CRM   イ POS   ウ SCM   エ SFA

解答:ウ
解説
経営管理システムに関する問題です。

調達から設計、製造、販売までの一連のプロセスを全体で管理して、供給の最適化を目指すシステムは、SCM(Supply Chain Management)です。

CRM(Customer Relationship Management)は顧客と良好な関係を築くため、顧客に関する情報を集めて分析する手法です。
POS(Point of Sales)は商品の販売情報を記録する仕組みです。
SFA(Sales Force Automation)は営業活動の情報を共有・分析して利益増加を狙う仕組みです。

ポイント
この手の問題はよく出る。
覚えるコツはSCMだったら最初の「S」はSupplyだから供給最適化!というように特徴を表す単語を軸に覚えよう。 SFAは営業、SCMは原材料の調達から販売まで一元管理、CRMは顧客、ERPは経営資源!



問34

IT基本計画の策定の際,明確にすべき事項だけを全て挙げたものはどれか。

  1. ITシステムの利活用に関わるステークホルダ
  2. 組織体の現在及び将来的なニーズへの対応
  3. 発生したインシデントに関する管理手順
  4. 利用者及び関係者との合意に基づいた業務要件とその優先順位
ア a, b   イ a, b, c   ウ a, b, d   エ b, c, d

解答:ア
解説
情報システム戦略に関する問題です。

IT基本計画とは、IT利活用関わるステークホルダを整理し、組織体の現在及び将来的なニーズへの対応を決める文書です。
つまり、aとbがIT基本計画の策定の際に明確にすべき事項です。

IT基本計画は、組織の経営陣が手動する一番上のトップレベルの計画です。発生したインシデントに関する管理手順や利用者及び関係者との合意に基づいた業務要件とその優先順位は、トップレベルの計画に入りません。

ポイント
〇〇計画、などの内容はよくわからないものが多い。
とりあえず〇〇計画とは大抵経営陣が決める〇〇に対する基本方針と理解しておこう。



●●● マネジメント ●●●

問35

情報システムの企画,開発,運用,保守に関わるマネジメントとプロセスに対して,ITガバナンスにおける経営陣の活動として,評価,指示,モニターを実施する必要がある。ITガバナンスにおける経営陣の活動に関する記述として,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

  1. 外部のコンサルタントに責任と権限を委譲し,戦略立案からモニタリングまで全面的に任せる。
  2. 情報システム戦略で想定した効果が,どの程度達成されているか確認するための情報を収集する。
  3. 情報システム戦略を実現するために,必要な責任と要員を組織に割り当てる。 d情報システムの複数の将来像を想定し,外部の情報システムの専門家に比較分析を依頼して評価する。
ア a, b, c  イ a, c  ウ b, c  エ b, c, d

解答:エ
解説
内部統制に関する問題です。

ITガバナンスとは、企業が、競争優位性構築を目的に、経営戦略に合致したIT戦略の策定・実行をコントロールし、ITの有効活用が行えるよう組織を導く能力のことです。

ITガバナンス経営陣の役割は以下の3つ。
 評価 現在の状況と将来の姿を比較して検討
 指示 評価で決めた将来の姿実現のための指示・実施
 モニタ 計画の実現具合を見る

bはモニタ、cは指示、dは評価の活動に該当します。
ITガバナンスにおける経営陣の活動は経営陣が行うものなので、外部のコンサルタントに責任を委譲することはできません。

ポイント
なんたらガバナンスという単語はよく出る。 英語でわかりにくいが、ガバナンスとは「統治」や「統制」。それだけ知ってればなんとかなる。



問36

クライアントPCへのソフトウェアの導入作業が契約に含まれるシステム開発プロジェクトがある。導入作業の行動に関する記述のうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

  1. 導入作業中に契約外のPCが見つかった。そのPCを導入対象外とした。
  2. 導入作業中に契約外のPCへの導入を依頼された。依頼に基づいて,その対応を無償で行った。
  3. 導入作業の続行が困難な状態となった。発注者と合意し,導入前の状態に復旧した。
ア a   イ a, b   ウ a, c   エ b, c

解答:ウ
解説
システム開発技術に関する問題です。

ソフトウェア導入は、実際に運用するのと同じ環境に開発したソフトウェアを導入し、ソフトウェアが要件を満たしているか、正しく動作するか、利用できる水準にあるかを確認する作業です。

導入作業中に見つかった契約外のPCを導入対象外としたこと、導入作業の続行が困難な状態となったため発注者と合意し導入前の状態に復旧したのは適切です。
契約外のPCへの導入は、正式に変更手続きを経たのちに行うことが適切なので、この行動は不適切です。

ポイント
知らなくても常識でどうにかなる。事前準備をして、契約外の作業はやらない!何かあったら関係者の合意は必要!



問37

Aさんは新規プロジェクトの計画段階の作業をしており,開発コストの見積りに着手した。この段階で短期的に概算費用を見積もる方法として,最も適切なものはどれか。

ア FP法を用いて見積もる。
イ 作業単位のコストを見積もり,合算して全体を見積もる。
ウ 予想されるソフトウェアのコード行数を基に見積もる。
エ 類似プロジェクトを参考に見積もる

解答:エ
解説
調達計画・実施に関する問題です。

プロジェクトの計画段階で短期的に概算費用を見積るには、過去の類似プロジェクトを参考に見積る類推見積法が適しています。

FP法はシステムの規模や開発工数を客観的に見積る手法です。
作業単位のコストを見積もり合算して全体を見積るのはボトムアップ見積り(積み上げ法)です。
予想されるソフトウェアのコード行数を基に見積るのはLOC(Lines of Code)見積り法です。

ポイント
類推見積法はプロジェクトの初期ですばやく計算したい場合、FP法は要件定義が決まってもう少し詳細な工数を出したい場合に向いている。



問38

要求事項が明確であり仕様変更が少ないことが見込まれるソフトウェアの開発に用いる開発モデル手法として,最も適切なものはどれか。

ア アジャイル開発    イ ウォーターフォールモデル
ウ スパイラルモデル   エ プロトタイピングモデル

解答:イ
解説
開発プロセス・手法に関する問題です。

要求事項が明確であり仕様変更が少ないことが見込まれるソフトウェアの開発では、開発の各工程でその工程の完了を判断した上で次工程に進む開発手法ウォーターフォールモデルです。
滝の流れるように順に工程が進むので、開発の途中で修正や仕様変更が発生すると対応しにくいデメリットがありますが、逆に仕様変更が少ないことが見込まれる場合には適しています。

アジャイル開発は、細かい機能ごとに分割して短期間で開発してはリリースするサイクルを繰り返しながら機能を追加していく開発手法です。
スパイラルモデルは、システムをいくつかに分割したサブシステムごとにウォータフォールモデルによる開発を繰り返して完成させていく開発手法です。
プロトタイピングモデルは、早い段階から試作品(プロトタイプ )を作って、ユーザに確認してもらいながら開発を進めていく開発モデルです。


ポイント
実際に開発作業を行わない人は本当にわからない分野。
でも出題されるのは最近流行のものが多いので、よくわからなくても特徴とあわせて簡単に覚えておこう。
アジャイルはかなり出題率が高いぞ!



問39

システム開発のプロジェクトマネジメントにおけるWBSの説明として,最も適切なものはどれか。

ア クリティカルパス上の作業を記載したものである。
イ 主要な成果物に関する予定開始日と予定終了日を記載したものである。
ウ 全ての成果物を作成するための作業を階層的に分解して記載したものである。
エ プロジェクトで使用するツールを記載したものである。

解答:ウ
解説
プロジェクトマネジメントに関する問題です。

WBSは、プロジェクトの対象となる作業を、大きな作業から徐々に小さい作業まで細分化し、階層化した構成図で管理する手法です。

全ての作業を記載するので、クリティカルパス上の作業だけではありません。
また、主要な成果物に関する予定開始日と予定終了日やプロジェクトで使用するツール記載しません。

ポイント
WBSはとにかく全作業を洗い出して細分化して階層的に示したもの!



問40

企業の活動に関する記述のうち,内部統制の活動内容として,最も適切なものはどれか。

ア 決算発表の内容に重大な誤りがあった場合は,速やかに外部に公表する。
イ 支払伝票を起票した際は,起票者が責任をもって確認し最終承認を行う。
ウ 定期的にリスクを評価し,洗い出されたリスクの全てを“回避”で対応する。
エ 内部通報は必ず直属の上司を通じて行うことを,ルールとして徹底する。

解答:ア
解説
内部統制に関する問題です。

内部統制は、組織内で不正や違法行為が行われることなく業務が遂行される仕組みを作ることです。
内部統制の基本要素は次の6つです。
 統制環境
 リスクの評価と対応
 統制活動
 情報と伝達
 モニタリング
 ITへの対応

決算発表の内容に重大な誤りがあった場合は,速やかに外部に公表するのは、情報と伝達に該当します。

支払伝票の起票者と承認者が同じだと、統制活動として不適切です。

リスクはすべて同じ対応をするのではなく、それぞれに合った対応をすることで、リスクの評価と対応となります。
内部通報は必ず直属の上司を通じて行うと、その上司のところで止まってしまい、上層部へ意見が通らない可能性がありり、情報と伝達としては不適切です。

ポイント
内部統制とかなんちゃらガバナンスとか、詳細は面倒面倒なので、ざっくりとどういうものか理解してればOK!
常識で考えればだいたい解ける!